談話室9月

「シリーズ・原子番号4・Be」

原子番号4・BeベリリウムBeryllium・原子量9.012。融点1287℃、沸点2468℃。アルカリ土類金属元素の一つ。1797年ボークランが発見。銀白色の金属。常温ではもろく、空気中では表面のみ酸化される。化学的性質はマグネシウムおよびアルミニウムに似る。主要鉱石は緑柱石(ベリル)でエメラルドの構成分子。銅、ニッケル、鉄などとの合金の材料として活用され、X線管の窓、原子炉における中性子減速材などに用いられる。金属ベリリウムとその化合物は有毒で、特殊な環境下での使用に限定されている。発がん性の高い物質であり、粉塵や切り粉を吸い込むと皮膚や肺を侵されるので取扱いには注意を要する。特性としては、磁化されにくく、空気中ではすぐに酸化され表面に皮膜を形成する。熱伝導率が高く、衝撃に強い素材であり、強い衝撃を受けても他の金属のように火花が散ることもなく、曲げ強度にも優れている。こうした物品性から、軍事、宇宙、航空などの分野での活用が進んでいる。エメラルドと聞いて思い出すのは、タイのワット・パクナム(寺院)のエメラルド色に輝く仏塔と天井画である。宇宙につながる神秘的な空間は、下界の煩わしさを忘れさせてくれた。

参考資料・化学辞典、大辞泉、朝日新聞社メディアビジネス局

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