談話室2月
『竹取物語(火鼠の皮衣)』(ひねずみのかわきぬ)
ついこの間 干支の鼠を飾ったと思ったら、もう2月ですね。
所で、どなたも幼い頃から古典「竹取物語」は幾度も、読んで貰った記憶が有るでしょう。その中に「鼠」と何度か書かれた章を見つけました。竹から生まれたかぐや姫は、成長して美しい姫となり、沢山の男性から結婚を迫られます。どうしても諦めない5人には、其々難題を出して行く話ですね。その一人右大臣阿部御主人への難題が「火鼠の皮衣」を探して来る事です。(註:中国の『水経注』と言う書物には、火に燃えない「火浣布」と言う布があり、火山の中に住む鼠の、白く長い毛で織るのだと言う)右大臣の阿部は遣唐使を中国に使わせて、交易商人の王慶と言う者に一任して、取り寄せた火鼠の皮衣を、かぐや姫にお出ししました。姫に本当に火鼠皮衣なら火にいれても、燃え無い筈、と言われた阿部が皮衣を火中に入れたら、あっけなく焼き尽きてしまった。中国人の応慶に騙され、しおしおお帰りなった。更に世間の人々はこれを聞いて、望みが達せられず、がっかりする事を、右大臣の名に引っ掛けて、「あえなし」(阿部無し)と言う様になったそうな。
〔H〕
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