談話室9月

『シリーズ・原子番号15・P 』

 原子番号15・P・リンPhosphorus・原子量30.97。融点44.15℃、沸点280.5℃。窒素族元素の一つ、非金属の固体、黄燐・紫隣・黒燐・赤燐などの同素体がある。黄燐は蝋状の固体で毒性が強く、空気中に置くと自然発火し、燐光を発する。天然には単体として存在せず、リン酸塩などとして鉱物・動植物界に広く存在する。リンは、カルシウムに次いで体内に多く存在するミネラルで、成人の体重の約1%を占めている。このうち約85%はカルシウムやマグネシウムと結合して、骨や歯を形成している。残りはタンパク質や脂質、糖質と結合してDNA・RNAなどを構成し、細胞膜や筋肉・脳神経などあらゆる細胞に存在する。又、ビタミンB1・B2と結合して補酵素となり、糖質の代謝を促進するほか、骨粗鬆症の予防、ATPとしてエネルギーの貯蓄など生命活動を支える重要な役割に関係している。食物では、肉類、魚介類、乳製品、卵類、穀類、豆製品、などに多く含まれる為、欠乏症はあまり見られませんが、CKDによる高リン血症や、食品添加物としてのリン酸塩の摂り過ぎには注意が必要である。余談ですが、漢字で「燐」と書くと「ひとだま」の意味を有する様です。〔K〕 参考資料・化学辞典、大辞泉、朝日新聞社メディアビジネス局

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