談話室4月

桃太郎』

今年に入ったある日、いつもの新聞に「都道府県の謎」と言うコラムが始まっている事を知りました。その日、岡山県の謎は、桃太郎とそのお供。なぜ犬、キジ、猿なのか。鬼退治なら熊・猪・鹿の方が強い援軍だろうに、と記者も調べた様です。陰陽五行説に基づき、北東の鬼門に住む鬼を退治する為、対極の南西の裏鬼門寄りに並ぶ猿、酉(キジ)、犬が選ばれたと言う。他にも儒教説。大和朝廷から派遣された実在の大吉備津彦命。等々話しが有る様です。

昨年夏96歳で亡くなられた外山滋比古先生は、「桃太郎」を読み臨床例として、童話の解釈を試みています。先ずお婆さんは洗濯をする他に、桃を拾いに行くのです。この桃とは若い女性です。戦乱の世を治める政治力を要する為、優秀な嫁を呼び、優秀な子供を育てます。桃太郎は立派な政治力で犬、キジ、猿に、きび団子(褒美)を出し結束し、鬼どもの不法を正したと仕上げています。〔H〕

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